企業事例

石橋青果株式会社 代表取締役 鈴木貴裕 様

 

WITH株式会社 佐々木啓治 年商30億円 ワンマン社長1

 

掲げた理念・ビジョンと日々の仕事が真逆だった過去

 

私は1996年に先代から引き継いで石橋青果の社長に就任しました。社長に就任した当時の会社の年商は約11億円。「3年で年商を15億円にする!」というビジョンを掲げ、自分達が儲かればいいや、という思いで商売をしていました。私自身も社員に「儲けろ!」としか言わなかった記憶があります。結果的には1998年に年商15億円に到達し、利益も上がりましたが、自分としてはなぜか非常に苦しかったのです。

社長である自分自身がもう少し大きく目標をもっていかないとダメだなと思い、そこから会社をもっと伸ばしていこうと決めました。「何かを変えなければいけない」と様々な方面で勉強をする中で、理念・ビジョンを掲げ、浸透することで会社が変わる、ということをよく耳にするようになり、現在の経営理念でもある「幸福(しあわせ)を届けます」という理念・ビジョンを2000年に掲げました。

しかし、これまでの自分達のためだけではなく、誰かのために仕事をしなければいけない、ということが漠然と分かるだけで、具体的には掲げただけでは自分も社員も何も変わらなかったのです。そのような中で2003年ごろ、当時は私自身も現場に出て社員と働いていて、その時に一緒に販売を担当していた社員から「社長、言っている事とやっている事が違いますよ。」と言われました。

「冷蔵庫に入れて出してきたような野菜を届けることはお客様に幸せを届ける事じゃない。」とハッキリ言われたのです。

WITH株式会社 佐々木啓治 年商30億円 ワンマン社長

 

理念・ビジョンの浸透で「同じ方向を向く」「社員が動く」 そして年商30億円超えへ

 

その時、当社では「産地買い」と言って、例えば青森のネギであれば特定の地域の物を全部買う、というような大量仕入れをしていました。全部が全部一度で売れるわけではありませんので、社員はそういった売れ残りで鮮度の悪い野菜をお客様に販売している今の状況に対して言ってきたわけです。商売上、産地買いを辞めることがなかなかできなかった。

そのような中に行った社内研修で、「当社のお客様はバイヤーではなく、その先のお客様がお客様なのだ」という視点が私と社員全員の共通認識となり、それによって「どっちを向いて商売するか」が明確になりました。そういった結論に達した時に「鮮度ある野菜をタイムリーに」という現在のビジョンが出来上がったのです。しかしそのビジョンだけで社員が仕事をしても儲からなかったのです。

その後、「鮮度ある野菜をタイムリーに」を実施しながらでも利益を出すためには「価値ある価格」も必要ではないかと。「価値ある価格」であれば、当社もお客様も両方幸せになる、という考え方で全社一致し、結果的に現在の「鮮度ある野菜をタイムリーに価値ある価格でお届けします。」というビジョンが浸透しました。

会社の理念・ビジョンが浸透すると、これこそが理念・ビジョンのもつ力だと思うのですが、みんなが同じ方向を向くようになりました。「価値ある価格」であるため、安売りはしない。そして無理な売上を追わない。自分達の取るべき行動が明確になり、それが称賛・評価されるため、どんどん成果が表れてきました。また、いちいち自分が決裁しなくても、皆が得意先を見つけて販売してきてくれるようになりました。トップ営業でしか口座を開けないような超大手企業とも契約をしてくれるようになったのです。

お客様との信頼関係も大きく変わりました。鮮度にこだわったことで、当たり前なのですが「鮮度が良い」「野菜を最後までおいしく食べきれる」ということで、エンドユーザーからのクレームもなくなり、「石橋青果から仕入れれば大丈夫。」と思っていただいた事で、お客様との信頼関係が強固になったと思います。

結果的に売上も右肩上がり、利益も大きく出るようになりました。2016年には年商30億円を超えることができたのです。

WITH株式会社 佐々木啓治 年商30億円 ワンマン社長3

 

経営計画作成を各部門長に そして年商100億円へ

 

私は会社は社長のものではなく社員のものだと思っているので、損益計算書やバランスシートなど包み隠さず全て社員に開示しています。経営計画も各部門長が作ってきた計画を吸い上げて作成しており、今年からはチャレンジとして経費も含めて作ってもらおうと思っています。運賃がどの程度かかるのか、バイトも好きに雇っていいけど利益はしっかり出すようにする、など数字を経営者のようにトータルで考えて欲しいという思いです。いずれは分社化して社長が2、3人いる、というような会社にしていきたいからです。

新しいビジョンとして「2030年までに100億円やる!」と社員に発表しました。まずは2023年までには運送事業を本格的に開始していきたい。社員とこれから10年でどのように売上を3倍にするかを話した時に、「2025年には運送事業で2億という売上をつくる。」他にも「小売りをやる」「カット野菜をやる」など、皆が意見を出し合いながら進めています。

今年で当社は創業55年となり、最終的には「100年勝ち残る企業」になることを目指しています。その時の状態は「売上300億円」「従業員200人」「創業100年」。これが最大ビジョンとして掲げていき、これからも事業に取り組んでいきたいと思っています。

WITH株式会社 佐々木啓治 年商30億円 ワンマン社長2

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